【シルディ・サイ・ババを愛する人々】シュリー・サイ・サッチャリータより(SHRISAI SATCHARITRA)No.0008

【シルディ・サイ・ババを愛する人々】シュリー・サイ・サッチャリータより(SHRI SAI SATCHARITRA)No.0008

「食物を托鉢して歩くシルディ・サイ・ババ」
 人々の門にシルディ・サイ・ババが立って「パンを一切れ恵んで下さい」と叫びそれを受け取るために手をのばす、そるシルディ村の人々の家に祝福あれ。シルディ・サイ・ババは片手に錫のポットを持ち、片手には長方形の布を持っていた。シルディ・サイ・ババは毎日家から家へと托鉢して歩き、スープのような液体や野菜、ミルク、バターミルクは錫のポットに、料理された米、パンなどの固形物は布に入れた。
 シルディ・サイ・ババは味覚を制御していたので、味のよしあしは問題にしなかった。布やポットにもらい受けたものを全部いっしょにして食べた。まるでシルディ・サイ・ババの舌は味の感覚が欠如しているかのように、それ等の食物を美味しいとも不味いとも感じずに食べるのだった。
 集めた食物は土製のポットに入れて置き、犬、猫、カラスが勝手に食べるにまかせた。回教寺院の床拭きの女は、十個くらいパンを自分の家に持って帰ったこともあったが、誰もそれを咎めなかった。夢の中でさえ犬や猫を荒々しい声で追い払ったりしないシルディ・サイ・ババが、どうして貧しく身寄りのない人々が食物を持ち帰るのを拒むことがあるだろうか。そのような気高い彼にどうか祝福あれ。
 シルディ・サイ・ババは見たところは気狂いファーキルのようだったが内面は常に不動で堅固だった。実はシルディ・サイ・ババが物を貰うのは、それによってネガティブを引き受け浄化するためだった。彼はまさに生きた神だった。
 シルディの村にもファーキルのシルディ・サイ・ババを神と知っていた人がいる。

「バヤジャバイのすばらしい奉仕」
 タティア・コテの母親はバヤジャバイという名前である。毎日正午には、パンや野菜を詰めた籠を頭にのせて森へゆくのが常だった。彼女は密林の中を何マイルも歩いてファーキルを探しまわり、探し当てると足もとにひれ伏すのだった。
 静かに身動きもせず座って瞑想しているファーキルの前に、彼女は葉を敷いてパンや野菜を並べ、食べるようにと勧めるのだった。彼女の信仰と奉仕は素晴らしいものだった。彼女の奉仕をウパサナとも苦行とも何と呼ぼうとも、とにかくシルディ・サイ・ババは、自分が死ぬ日までそれを忘れなかった。彼女の奉仕をよく覚えていて、シルディ・サイ・ババは彼女の息子に大きな恵みを与えた。死の定めから息子を救ったのだ、自分の命と引き換えに。
 息子も母も、彼らの神であるファーキルを固く信じていた。シルディ・サイ・ババはよくかれらに言いました。「ファーキルこそ不滅であって真の神であり、富は滅するもので神ではない」と。
 数年後、シルディ・サイ・ババは森へ行くことをやめて村に住み、回教寺院で食事をするようになった。それ以来、森の中をファーキルを探し回るバヤジャバイの苦労もなくなった。

「トリオの住居」
 ヴァスデヴァ神(クリシュナ神のこと)がその心に住みたもう諸々の聖者に祝福あれ。そしてそのような聖者のお側にいる信者はまさに幸運な人々である。
 タティア・コテ・パティルとバカット・ムハラサパティとは共にシルディ・サイ・ババのお側にいた。三人は頭をそれぞれ東と西と北に向けて回教寺院で眠った。マットを敷き、その上に横たわって夜遅くまで様々なことを話し合う。一人が眠りそうになると、他のものが起こすのだった。例えばタティアがいびきをかき始めると、すぐさまシルディ・サイ・ババが起き上がって、かれの身体をゆすったり頭を押したりする。あるいはムハラサパティが身体を抱きしめたり脚を引っぱったり背中を叩いたりする。
 このようにして十四年間も彼らは回教寺院でシルディ・サイ・ババと眠った。どんなに幸福な日々だっただろうか。
 シルディ・サイ・ババを愛する人々に幸いあれ。

<祈り:シュリー・ガネーシャ、シュリー・サラスワティ、シュリー・グル・マハラジに礼を尽くします。敬愛するグルデーヴァ、シュリー・シルディ・サイババにつつしんで頭を垂れます>

(続く)

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